哲学講座(人文学プレ・ゼミ/2023年春期講座)
- テーマ
- 「哲学入門―「時間」について考える」
- 講師
- 峰尾公也(みねおきみなり)。
現在、立教大学・明治大学・国際医療福祉大学・鎌倉女子大学非常勤講師。専門は、マルティン・ハイデガーの哲学を中心とした、現代ドイツ・フランス哲学の時間論と歴史論。著書に『ハイデガーと時間性の哲学――根源・派生・媒介』(溪水社、2019年)、翻訳にアルフォンス・ド・ヴァーレンス『マルティン・ハイデガーの哲学』(月曜社、2020年)など。
- 日時
- 各日10:30~12:40
- 参加費
- 全4回 50,000円
講座概要
本講座では、受講者ひとりひとりが、自分自身にとって心のある事柄を哲学的に思考し、発表やレポートといった形で言語化できるようになるために、とくに「時間」というテーマに的を絞って授業を行なっていきます。
「時間」には少なくとも、人間の存在とは無関係に持続すると考えられる「客観的時間」と、人間の存在と結びつくかぎりで持続すると考えられる「主観的時間」との二種類があり、どちらを本質的な時間とみなすか(あるいはどちらも本質的でないとみなすか)という点で、古来、哲学ではさまざまな議論が交わされてきました。たとえば、私たちは、すべての人間が唯一同一の客観的な時間のなかにおり、この時間は全人類が滅んだ後も持続するだろうと考えることもできれば、時間は個々人に特有の主観的なものにすぎず、ある人間が存在しなくなれば、その人間に特有の時間も持続しなくなるだろうと考えることもできます。
このように「時間」と一口に言ってもその内容はさまざまであり、「時間」について哲学的に思考するには、その内容を包括的に吟味しつつ、みずからの見解を論理的かつ批判的に彫琢していく必要があります。そこで本講座では、受講者ひとりひとりが、「時間」にかぎらずあらゆるテーマに応用可能な哲学的思考のための基本的なノウハウを身につけることで、自分自身で哲学的に思考できるようになることを一緒に目指していきたいと思います。
各回の概要
-
第1回
-
受講生の自己紹介、入門講義、参考文献リスト配布と解説
-
第2回
-
入門講義、各受講者の発表イメージ聴取と助言
-
第3回
-
受講者による文献紹介(1,2冊の文献を各受講生に選んでもらい、内容のまとめを発表してもらう)
-
第4回
-
受講者による本発表と相互質疑および講評